ふたつの背中を抱きしめた
私が裏庭に出たのとほぼ同時に、大粒の雨が空から落ちてきた。
「きゃー!マズい!降って来ちゃったぁ!」
大慌てでまずは1番被害に合わせたくない子供達の布団を取り込む。
けれども数人分の敷き布団をいっぺんにひとりで運ぶ事は出来ず四苦八苦していると
突然ヒョイと私の腕から布団が取り上げられた。
「布団は俺がやるからあんたは洗濯物取り込みなよ。」
柊くん、だった。
2人しかいないんだから当たり前と言えば当たり前なんだけれと。
手伝いに駆け付けてくれた柊くんに、私は驚きと嬉しさで胸がいっぱいになるのが分かった。
っと、喜ぶのは後、後。
そうしてる間にも雨はどんどん強くなっていく。
私は綻びそうになる顔を抑えて、ハンガーに掛かっている子供の服を片っ端から取り込んだ。
そして最後のタオルの山を抱え園内へ走り込んだ私は、同じく最後のシーツを取り込んで走り込んで来た柊くんと
お互い抱えていた洗濯物に視界を遮られていた同士、見事にぶつかってしまい
気が付くと
2人、重なるように倒れこんでしまっていた。