幕末オオカミ


もし離れている時に、総司たちが先に敵に遭遇したら……



「……同じこと考えてると思うけど……」


「あぁ。無理はするな。死ぬんじゃねぇぞ」


「だから、こっちの台詞だって……」



あたしは一歩、総司に歩み寄った。


総司は当然のように、あたしを引き寄せる。



「……狼になっちゃ、ダメだよ?」


「あぁ」


「絶対、死んじゃだめだからね」


「わかってる。一昨日の約束、覚えてるか?」



耳元で囁く、低い声。


ずっと聞いていたい。


本当は、離れたくない。



「覚えてるよ」



顔が見られなくて、胸の中で小さくうなずいた。


この戦いが終わったら。


あたしは、総司のものになる……。


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