幕末オオカミ
「おおおおおっ、楓くんー!!」
宴会場に到着するなり、誰かがあたしに飛びついてきた。
恰幅のよい、がっしりした体は、間違いなく近藤局長だ。
「すまんかったなあ、俺が二階に戻したばかりに……」
局長はぼろぼろと、涙を流しながらあたしの頭をなでくりする。
「だ、大丈夫ですよー。
ほら、生きてますし……」
背中をさすっていると、副長や総司がどうどうと、近藤局長をなだめて座らせた。
「皆の者、池田屋での働き、誠にご苦労であった。
一番の功労者も戻ったことだし、今夜は大いに楽しんでくれ」
はなをすする局長の隣で、副長が言う。
すると隊士から、こちらに向かって拍手が送られた。
「一番の功労者?」
「お前のことだよ。
桝屋の蔵を暴き、池田屋で会合が行われることをつきとめた。
それに……」