幕末オオカミ
総司の言葉の途中で、土方副長が横入りしてきた。
「言っとくが、お前は総司を守ろうとして浪士に斬られたことになってるからな。
話をあわせておけよ」
それだけ言うと、すーっと消えていった。
どうやら、新撰組は今回の働きで、相当会津藩や幕府からの評価が上がったらしい。
副長は上機嫌で、未だに泣き続ける近藤局長をなだめ、酒をすすめていた。
「うわ、笑ってる……」
「あれが本来の土方さんなんだけどな」
「嘘!?」
「笑うと、美丈夫が際立って女のごとく見えるだろ。
それが本人は嫌らしい」
美丈夫つったら美丈夫だけどさ。
うん、呼ばれた芸妓さんたちも見とれるほどだけどさ。
あたしの趣味じゃないな……。
だって、腹が黒すぎるもん。