白球の彼方~君に託した夢~


「翔也くん!」
『雛菊?』

久々に雛菊と話した気がする。

「あのっ…付き合ってんだし…一緒に帰ろう?」

『お、わかった。』


雛菊がこんな事言ってくるなんて思ってなかったから正直驚く。


「アタシ初めてだよ、男子と二人きりで帰るの。」
『俺も。今まで恋とか興味なかったし。』
「そうなの!?翔也くんイケメンだから沢山告られてんのかと思ってた。」

『まぁ告られた事はあるけど…バットとグローブがあればいいかな、みたいな。』



そういや告白とかあんま考えた事なかった。


告白ってこんな緊張するなんて思ってなかった。



「…。」
『…。』


しばらく沈黙が続く。


『あのさぁ。』


俺は口を開く。

『その、翔也くんじゃなくて呼び捨てが…いいかなーなんて。』


沈黙を破る為に言った言葉がこれって…
つくづく恋愛下手だと思う。


「いいの!?じゃあ翔也って呼ぶね!
ならアタシの事も美愛って呼んで!」


『おぅ、いいよ。』



他愛のない話しをしながら電車に揺られ地元に着く。


あれ…

こうゆう歩く場面って

手…繋いだ方がいいんだっけ?


周りのカップルを見ると皆手を繋いでる。


中には躊躇いもなくキスしてるカップルも。





こうゆうのは先手必勝だよな!!←



< 73 / 94 >

この作品をシェア

pagetop