白球の彼方~君に託した夢~
「翔也くん!」
『雛菊?』
久々に雛菊と話した気がする。
「あのっ…付き合ってんだし…一緒に帰ろう?」
『お、わかった。』
雛菊がこんな事言ってくるなんて思ってなかったから正直驚く。
「アタシ初めてだよ、男子と二人きりで帰るの。」
『俺も。今まで恋とか興味なかったし。』
「そうなの!?翔也くんイケメンだから沢山告られてんのかと思ってた。」
『まぁ告られた事はあるけど…バットとグローブがあればいいかな、みたいな。』
そういや告白とかあんま考えた事なかった。
告白ってこんな緊張するなんて思ってなかった。
「…。」
『…。』
しばらく沈黙が続く。
『あのさぁ。』
俺は口を開く。
『その、翔也くんじゃなくて呼び捨てが…いいかなーなんて。』
沈黙を破る為に言った言葉がこれって…
つくづく恋愛下手だと思う。
「いいの!?じゃあ翔也って呼ぶね!
ならアタシの事も美愛って呼んで!」
『おぅ、いいよ。』
他愛のない話しをしながら電車に揺られ地元に着く。
あれ…
こうゆう歩く場面って
手…繋いだ方がいいんだっけ?
周りのカップルを見ると皆手を繋いでる。
中には躊躇いもなくキスしてるカップルも。
こうゆうのは先手必勝だよな!!←