総長様はご機嫌ナナメ 〜裂空VS獄炎〜
どうやら飛び退きすぎて、さっき昇っていた階段の上に移動しちゃったらしい
――などと考えても、後の祭り。
つかの間の浮遊感が終わり、重力が私の身体にぶら下がってくる。
(あーあ…ちゃんと着地できなきゃ捻挫しそうだな)
足元を眺めながら、そんな緊張感の無い感想を抱く。
そして始まる自由落下。
……それでもやっぱり、本能は下に落ちたくないらしくて。
咄嗟に腕を前に差し出したその時、視界の端で金色の光がきらめいた。