総長様はご機嫌ナナメ 〜裂空VS獄炎〜





『おい、ちょ、やめろ!っつーかいきなり何するんだよ!!』


「だって飛鳥さん!胴上げって嬉しい時にする物でしょう!?」


「だから逆に、胴上げをしたら飛鳥さんが嬉しい気分に――…」


『ならんわぁぁあああ!』



大声で否定すれば、下の方でドッと笑いが起きた。


それを聞きながら、何度も宙に舞い上げられる私は――目尻に浮いた涙を拭うと、強く思う。



(こいつらを、[裂空]の皆を――[獄炎]から守りたい)



【羅刹】の時に迷惑かけたからとか、『総長』の義務だとか、そんなの関係なく。


『村瀬飛鳥』という一人の人間として、小さく、けれど強く、私は決意した。
















そして
私が親睦会から帰ってきた翌日




[獄炎]は、
宣言通りやってきた。




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