レス彼 〜私の彼氏はセックスレス〜
「そういう態度のままなら、先にお風呂上がるから」
篤彦の態度が急変する。
「え…」
狭いバスルームの中の空気が一瞬にして変わった。もしかしたら、今夜は私からのサインに応えてくれるかもしれないなどと、甘い妄想が膨らんでいた私の気持ちが一気に冷め、目の前であれほど温厚な性格の篤彦が、不快感をあらわに私を見ている。
夕飯を一緒に食べ、テレビを見ながら、お互いの体をひっつけあって仲むつまじく語り合っていた私たちの姿は、今は微塵も無い。
篤彦は、まるで私を欲情した娼婦のような汚らわしい低俗な女であるかのような目で見つめ、ため息をつく。
まずい。
こういうときの篤彦は、恐ろしく冷たい。
触れてはならない禁止領域に私は触れてしまった。