鬼の花嫁 ‐巡る季節‐






「あ」

「………。」





焦った表情のあたしを見て

ニヤリと意地悪な笑みを浮かべる。





「…なにしてた?」

「い、いや…なんでも」

「嘘をつけ」

「きゃっ」






風神さんの腕に引っぱられ、

起こした上半身は再び布団へと落とされた。




そのまま抱きしめられ

身動きが取れなくなる。





「風神さ……」





顔を赤くするあたしに

優しい笑みを向ける風神さん。




っ……


その笑顔…反則です………




赤くなる顔を隠すように、

あたしは布団へ顔を埋めた。





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