鬼の花嫁 ‐巡る季節‐
パタパタと沢山の人の
働く足音や声が聞こえ、
風神さんはぬくりと体を起こす。
「…もう起きるべき、か」
「そうですね」
風神さんが着物に着替えはじめ、
あたしも着替えようと
体を起こそうとしたその時。
「…っ!?」
っ、た、立てない……?
なんか痛い、腰痛い!
しどろもどろになりながら
一向に動かないあたしを見て
風神さんが言葉を発する。
「どうした、着替えないのか?」
「え、えっと…その……」
ど、どうしよう!