恋猫
篠さまは、どんなご家庭を」
すかさず、菊が篠に尋ねた。
「私も淳ノ介さまと同じ考えでございます。ただ、対話の中にも礼儀を重んじたいと存じます。旦那さまを立て、子を礼節の内に育て、親を敬い、家の繁栄に励みたいと思います」
篠の発言に淳ノ条、菊、淳ノ介の三人は大いに感服した。
(18歳にしてはしっかりしている)
三人は、内心同じような思いを抱いた。
篠の発言に面白く無いのが、隣の部屋から話を盗み聞きしていた三毛猫の美化だった。
(くそッ!格好つけちゃって。こっちが黙っていりゃ、つけやがりやがって。こうなりゃ、実力行使でこの話を壊すしかあるまい。今に見ていろ。腰を抜かさないでよ)
美化が大きく深呼吸した。そして、襖の少しの隙間を手の爪でこじ開けると、篠を目指して猛然と突進した。