恋猫

 篠さまは、どんなご家庭を」


 すかさず、菊が篠に尋ねた。


 「私も淳ノ介さまと同じ考えでございます。ただ、対話の中にも礼儀を重んじたいと存じます。旦那さまを立て、子を礼節の内に育て、親を敬い、家の繁栄に励みたいと思います」


 篠の発言に淳ノ条、菊、淳ノ介の三人は大いに感服した。


 (18歳にしてはしっかりしている)


 三人は、内心同じような思いを抱いた。



 篠の発言に面白く無いのが、隣の部屋から話を盗み聞きしていた三毛猫の美化だった。


 (くそッ!格好つけちゃって。こっちが黙っていりゃ、つけやがりやがって。こうなりゃ、実力行使でこの話を壊すしかあるまい。今に見ていろ。腰を抜かさないでよ)


 美化が大きく深呼吸した。そして、襖の少しの隙間を手の爪でこじ開けると、篠を目指して猛然と突進した。





< 12 / 146 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop