恋猫
淳ノ条と菊もまったく同感だった。
人の本性は咄嗟の時に出る。
(この娘ならうちの嫁にしても申し分ない)
淳ノ条と菊は、心の中で楓家の嫁として合格点を出した。
面白くないのは、美化だった。
見合い話を壊す為にひと芝居い打ったのが、生憎の逆効果。篠の評判を一気に高める事になってしまったから、腹立たしいやら、情けないやら。もう、ぷりぷりのこれ以上ない、というしかめっ面をして、篠に抱かれていた。
(死んでしまいたい。敵に塩を差し出す結果になったとは・・・。とほほ。情なくって涙もでない。うえ~ん。うえん)
美化は、愛情深い篠の顔を見ながら心で泣いていた。