恋猫

 淳ノ条と菊もまったく同感だった。
 人の本性は咄嗟の時に出る。


 (この娘ならうちの嫁にしても申し分ない)


 淳ノ条と菊は、心の中で楓家の嫁として合格点を出した。


 面白くないのは、美化だった。

 見合い話を壊す為にひと芝居い打ったのが、生憎の逆効果。篠の評判を一気に高める事になってしまったから、腹立たしいやら、情けないやら。もう、ぷりぷりのこれ以上ない、というしかめっ面をして、篠に抱かれていた。


 (死んでしまいたい。敵に塩を差し出す結果になったとは・・・。とほほ。情なくって涙もでない。うえ~ん。うえん)


 美化は、愛情深い篠の顔を見ながら心で泣いていた。







< 15 / 146 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop