恋猫
篠は大きな深呼吸をひとつした。
「落ち着いて。落ち着いて」
化身した篠は、全身の力む力をスーと抜いた。そして、両肩を少し上下に二三度動かせた。
「これで、良し」
「いざ、出陣」
篠が楓家の玄関前に立った。
「ごめん下さい。ごめん下さいませ」
屋敷に中に向って篠が声を掛けた。
「は~い。誰かしら」
急いで中から、菊が出て来た。
「あら、篠さま。どうされたの」
菊が、篠の顔を見て何の用かと尋ねた。