恋猫

 (まだ、その時では無い)


 篠は、歩きながら時を計っていた。


 屋敷が立ち並ぶ一角から、すぐ近くの川沿いの一角に、最近、出会い茶屋が出来たのを、篠は小耳に挟んだいた。


 次の屋敷を通り過ぎた通りを右折すれば、そこに行ける。
 ちなみに、篠の住む五谷家の屋敷は、右折せずにこのまま真っ直ぐ行った所にあった。


 通りが交差する右折する地点に差し掛かった。
 篠が、そこでぴくっと止まった。


 「淳ノ介さま、最近、この近くに新しいお店が出来たのをご存知ですか」


 篠が妙に色っぽい目をした。

 「新しいお店?どんなお店ですか」

 淳ノ介が篠の異常に輝く目を見て行った。



 「出会い茶屋です」



 「えええええ- - -ッ!出会い茶屋」



 淳ノ介が顔の相を変えて驚いた。






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