恋猫

 「淳ノ介さま、そこに棒のように突っ立ってないで、ここにお座りになったら」
 「はあ、ははあ・・・」

 化身した篠の言葉で、やっと淳ノ介は我に返った。


 「出会い茶屋が商売繁盛なのも頷けますよね。ねえ淳ノ介さま」
 「そう、そうですね」


 淳ノ介は仕方なく相槌を打った。


 「もっと早く来たかったなあ、淳ノ介さまと」
 「・・・」


 「ここなら鍵も掛かるし、どんなに乱れても平気。いいなあ。どうしてもっと早く来なかったのかしら」


 部屋の中をきょろきょろ眺め回しながら、篠の独り言。


 「しかし、人間は凄いモノを発明するわね。じゃ、どうして今まで無かったのか。あたい等はどこでもやるから、いらないのか。ああ、そうか。そうだね。納得。納得」


 訳の分からない事を篠は、ぶつぶつと喋っている。






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