恋猫
淳ノ介が頃合を計って立ち上がり、素早く着物に着替えた。
「今から女将を呼んで来ますので、篠さまはここでお待ち下さい」
淳ノ介が横になっている篠に声を掛けた。
「ご足労をお掛けします」
と、篠の返事。
淳ノ介は階下に下りて行き、女将を捜した。
女中がいたので、女将に「部屋まで来て欲しい」と、淳ノ介は伝言を依頼した。
部屋に帰り、二人が待っていると、ほどなくして女将が現れた。
「よろしいですか」
と、女将の声。
淳ノ介が部屋の外に出て、よろしく頼むと、小さく会釈をした。
女将の手伝いで、何とか篠は着物の着付けを行う事が出来た。
二人は女将に礼をして、やっとの事で出会い茶屋を出る運びとなった。