恋猫
「出会い茶屋にねえ。それは、淳ノ介さまから誘われたのですか」
「いいえ、篠さまです。篠さまは、最近出来た出会い茶屋にいたく興味を持たれまして。どのようなものかと・・・」
「へえ、篠さまからですか。最近の武家の娘は、それは、それは、発展的でございますね」
尚八郎が、にいっと笑みを浮かべた。
「見学だけでございますか」
「いいえ、お恥ずかしい話ですが、あの~、その~」
淳ノ介が恥ずかしさで顔を真っ赤にしている。
「若い二人ですからね。そこの所は、良くわかりました」
「それで、事が終わって、篠さまをお屋敷まで送られたという事でございますね」
「その通りでございます」
「屋敷まで送り届けたものが、無残にも喉を噛み切られて惨たらしい死体に・・・。まるで、神隠しか、はたまた獰猛な獣に襲われたか。何とも、不思議な事件じゃござんせんか。ありがとうございました。良くわかりました」
そこで、尚八郎は、淳ノ介への質問を終えた。
銀次は、淳ノ介の証言をそのまま書留帖に書き留めた。