恋猫
「あれっ、美化は・・・。どこにいったのかな」
淳ノ介が辺りをきょろきょろ眺め回した。
美化はどこにもいない。
いない筈だ。美化は『越後屋』の裏に回り、塀を乗り越え、庭にいた。
鈴は自分の部屋から庭を見ていた。
「あら、先ほどの猫がいる。また、遊びに来たの。こっちにおいで。さあ、早く、早く」
鈴が美化に向って、こっちにおいでと、手招きをした。
美化はそれに答えて、鈴の所に走って行った。
「また、遊びに来てくれたの。ありがとう」
鈴が美化を抱き上げて、頬を近づけ好き好きをした。
にゃお~。
美化が甘えたような鳴き声を上げた。