恋猫
美化が辺りをきょろきょろ眺め回した。
部屋の隅に文机があり、その上に硯と筆があるのが、美化の目に止まった。
美化は文机の所に行き、筆を口に咥え、それを鈴の所へ持って行った。
「筆・・・。あっ、そうか。筆で書けと言うのね。恋文を書いたら、本当に淳ノ介さまの所に運んでくれるの」
「うん」
美化が首を大きく縦に振った。
「本当。嬉しい。少し待ってね。すぐに書くから」
「うん」
美化が頷いた。
鈴は文机の前に座り、恋文を書き始めた。