恋猫

 「美化、この文を淳ノ介さまに渡してくれる」
 「うん」


 美化が大きく頷いた。


 「美化、もうひとつお願いがあるの?」
 「・・・」


 「淳ノ介さまから返事をもらって来て欲しいの」
 「うん」


 美化が首を縦に振った。


 「好きよ。好きよ。美化の事が大好きよ」


 そう言って、鈴は美化を力いっぱい抱きしめた。


 (苦し~い)


 (殺す気か。殺したいのは、こちとらの方だ。もう少しだけ泳がせてやる。有り難く思いな。精々、淳ノ介さまに気に入られ、ねんごろ寸前までおなり。その後は・・・。ああ、考えただけでも、ぞくぞくするよ)


 美化が不気味な笑みを浮かべて、するりと鈴の腕の中から抜け出した。






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