ヴァージニティー
「――夕子…」

名前を呼びながら、朝人が夕子を優しく床に押し倒した。

「もう我慢できない…。

このまま、いい…?」

熱に浮かされた瞳で自分を見ながら聞いてきた朝人に、夕子は首を縦に振ってうなずいた。

自分も、我慢できなかったからだ。

躰と心が朝人を求めていたからだ。


「――ッ、はあっ…」

夕子は熱っぽい息を吐いた。

情事で火照った躰に、床の冷たさが気持ちよかった。

「――朝人…」

名前を呼んだ夕子に答えるように、
「んっ…」

朝人は夕子と唇を重ねた。
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