いつか見る青
玄関ホールでは、すでに民さんがスタンバイしていた。
おじいちゃんが靴を履くのに合わせ、壁に掛かっている靴べらと車のキーを手に取ると、民さんはそれらを絶妙なタイミングで差し出す。
その無駄のない動きに、思わず感動してしまった。
「じゃ、行ってくる」
「はい。行ってらっしゃいませ」
「行ってらっしゃい」
おじいちゃんをお見送りした後、私は民さんに問いかけた。
「おじいさんて、自分で運転して会社まで行くんですね」
てっきりお抱えの運転手さんとかいるもんだと思ってたから、正直意外だった。
「それに、家を出る時間も早いような…。【重役出勤】なんて言葉があるくらいだから、もっと遅い時間にのんびりと出勤するのかと思ってました」
「旦那様は車の運転がとてもお好きですから。お仕事がお忙しい中での唯一の趣味と言っても良いかしら」
「へぇー。そうなんですか」
「他の方が運転なさる車に乗っていると、自分が思っているのとは違うタイミングでブレーキを踏んだり加速したりなさるので、とてもストレスに感じるんだそうですよ」
おじいちゃんが靴を履くのに合わせ、壁に掛かっている靴べらと車のキーを手に取ると、民さんはそれらを絶妙なタイミングで差し出す。
その無駄のない動きに、思わず感動してしまった。
「じゃ、行ってくる」
「はい。行ってらっしゃいませ」
「行ってらっしゃい」
おじいちゃんをお見送りした後、私は民さんに問いかけた。
「おじいさんて、自分で運転して会社まで行くんですね」
てっきりお抱えの運転手さんとかいるもんだと思ってたから、正直意外だった。
「それに、家を出る時間も早いような…。【重役出勤】なんて言葉があるくらいだから、もっと遅い時間にのんびりと出勤するのかと思ってました」
「旦那様は車の運転がとてもお好きですから。お仕事がお忙しい中での唯一の趣味と言っても良いかしら」
「へぇー。そうなんですか」
「他の方が運転なさる車に乗っていると、自分が思っているのとは違うタイミングでブレーキを踏んだり加速したりなさるので、とてもストレスに感じるんだそうですよ」