いつか見る青
「父親が今まで頑張って来てくれたからこそ、私が何不自由なく仕事できている訳だし。それに、繁忙期以外はワリと気軽に休ませてもらえるしね。他所で働いていたとしたら、とてもじゃないけどそんな融通はきかないもの。だから父親には頭が上がらないわ」


「まぁ、そんな。お父様だって今日子さんには感謝されてると思いますよ。お家のお手伝いをきちんとされていて、とてもご立派じゃないですか」


民さんは笑顔でそう言いながら、私にはオレンジジュースを、今日子さんと未来君にはそれぞれ紅茶とジュースのおかわりを出した。


そして「ちょっとお台所の方でやる事がございますので、何かありましたらお呼び下さい」と言い残し、そのままリビングを出て行ってしまう。


私と今日子さんがじっくり話せるように気を使ってくれたのかもしれないけど、私はちょっと慌ててしまった。


「……ご主人も、同じ歯医者さんなんですか?」


会話が途切れないよう、何とか言葉を探す。


「あ、ううん。旦那はね、歯科の材料を扱ってるメーカーの営業マン。昔からウチに出入りしていた人なのよ」
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