いつか見る青
「別に忙しくなんかねーよ。俺も明日から休みに入るし、これといってやる事もないし」


紫さんはコーヒーを一口啜ってから、続けた。


「受験生だからって、ずっと机にかじりついてても意味ないぜ。適度に息抜きしないと」


「ええ。その点は大丈夫です。今さら焦ったりしませんから。後で苦労するのは嫌だから、一年の時から計画立てて勉強して来たんですからね」


「そっか。言うだけ野暮だったな。お前、努力してたもんな」


「とは言っても、そんな大層な事はしてないですけどね。ただ、毎日授業で習った事を、その日のうちに「暗記」じゃなく「理解」できるようになるまで復習していただけですから。週2回来る家庭教師にフォローしてもらいつつ。おかげで、その知識は今でもきちんと脳に定着してくれてます」


「いや……。理屈では分かってても、それが中々できないんだって」


「そうですかね?後からあくせく勉強する事に比べたら、断然効率的で楽な勉強法だと思いますけど」


「……それ、周りの奴にはくれぐれも言わない方が良いぜ」
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