いつか見る青
「そうですか……。じゃあ、分かりました」


未来君はあっさりと私の言葉を受け入れ、そしてそれ以上は何も言って来なかった。


こういうドライな対応は、今の私にはかえって有難い。


紫さんの前で言葉を発するのは、尋常じゃない労力を要するから……。


情けないけども、すぐに会話から撤退する事ができて、心底安堵していた。


その後、民さんがお風呂の準備ができた事を知らせてくれて、未来君、私の順で入る事となった。


紫さんは「あんまり早く入ると、寝るまでにまた汗をかくから嫌なんだよな。俺は親父が入ってからにするよ」と答えていた。


先に食堂を出て行く二人をぼんやりと見送りながら、すでに冷めきっているコーヒーを啜っていると、民さんがポットを手に近付いて来る。


「お代わりはいかがですか?」


「え?あ、いえ。もう大丈夫です」


私は慌ててコーヒーを飲み干し、立ち上がった。


「すみません。ボ~っとしちゃって。片付かないですよね」


「まぁ。そんな事、お気になさらないでよろしいんですよ」
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