いつか見る青
そこでふいに、秀ちゃんはクルリと後ろを振り向いた。


「おい。和美も、何か言えよ。何でさっきから黙ってんだよ」


和ちゃんは私達から少し離れた窓辺に腰掛けていた。


視線は外を向いたまま。


夕日が差し込むその場所で、背中を丸めて座り込む彼女は、高校生とは思えない哀愁を漂わせている。


「…でよ」


「え?」


「そんな大事なこと、何で私らに一言も相談せずに、勝手に決めちゃうのよ」


「おい、よせよ和美」



秀ちゃんが彼女を諌める。


「勝手も何も、あおいはそうするしかないじゃんか。高校生が、保護者なしで一人で生きて行くなんて、尋常じゃなく大変な事だぜ」


「そんなん、うちのお母さんが、たびたび様子見に来るって言ってたし……」


和ちゃんの声は震えていた。


「だけど四六時中一緒にいられる訳じゃないだろ。それに、やっぱり血の繋がりには勝てないよ。過去に色々あったとしても、あおいのじいちゃんなんだからさ」


言いながら、秀ちゃんは視線をこちらに戻す。


「そうだろ?あおい」


「うん」


私は和ちゃんの背中に語りかけた。



「お母ちゃんがいなくなって、私、とうとう一人ぼっちになっちゃったと思った」
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