いつか見る青
「20畳くらいはあるかな?その部屋で、こちらの奥様、つまり葵さんのおばあ様がお習字教室を開いていたんです」


「神崎さんはそこの生徒さんだったんですよ」


「えっ?そうなんですか?」


民さんの言葉に、私は心底驚いた。


「ええ。小、中学生の頃ですけどね。私の家はここから徒歩で10分くらいなんです。近所の子はほとんど皆通ってたんじゃないかな」


「そして教室が終わったあと、皆さんここのお庭で遊んだりしてね」


「ええ。実はそれが目的だったりして」


神崎さんは苦笑した。


「民さんと瑠璃さんがジュースやお菓子を出してくれましたからね。他の人の家の庭でちゃっかり遊んで、しかもおやつまでご馳走になったりして、だいぶ図々しかったですよね」


「あら。だって、紫坊ちゃんの遊び相手をして下さっていたんですもの。奥様も旦那様もとても感謝なさってましたよ」


私は神崎さんの言葉に、胸の鼓動が跳ね上がった。


「あ、あの…」


ドキドキしながら問い掛ける。


「神崎さんは、母の若い時を知ってるんですか?」
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