いつか見る青
「お客様って、もしかして僕のことですか?」


神崎さんが爽やかに会話に加わる。


「やめて下さいよいまさら。僕と民さんの仲じゃないですか」


「そうだとも。同じ屋根の下にいながら、いつも私達はすれ違いなのだから。こういう時くらい一緒に食卓を囲もうじゃないか」


「そうですよ、民さん。葵さんのお祝いの席なんですから。人数が多い方が楽しいですし」


民さんは、二人の言葉に困ったように眉尻を下げ、頬に手を当てて視線をさ迷わせていたけど、私と視線が合った瞬間、ふいに柔らかい表情になった。


「…そうですね…そこまでおっしゃっていただけるなら、お言葉に甘えて…」


「じゃ、民さんは僕の隣に座って下さいね」


神崎さんはにこやかに自分の左隣の席を示した。


接遇マナーとか良く分からないんだけど、とにかく、入口に遠くなるほど偉い人が座る席なんだよね。


ホントは叔父さんはもっと奥の席に座るべきなんだけど、いつもあそこに座ってるから動きたくないみたいだし、そうするとお手伝いとしての立場の民さんは、どこの席を選んだら良いか迷っちゃうよね。
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