いつか見る青
「それでしたら…」


神崎さんが再び口を開き、皆の視線が彼に集中する。


「私がご一緒しますよ。言い出しっぺなんですし」


その言葉に、私はもちろんおじいちゃんも驚いたようだ。


「いや、しかし、神崎君にそこまでしてもらうのは…」


「あ、あの、神崎さん、お仕事お忙しいですよね?」


二人のセリフが重なる。


これまでに、もう充分親切にしていただいた。


どう考えても、顧問弁護士の業務を逸脱してるでしょ、っていうくらい。


今更かもしれないけど、これ以上私の為に神崎さんの手を煩わせる訳にはいかないよ。


しかも思いっきりプライベートの、全然重要じゃない用事なんだから。


「いえ。私の仕事は外回りが多いですし、アポイントメントの取り方によって、微妙に時間が開いてしまったりする時もあるんですよ」


おじいちゃん、私と順に視線を向けてから、神崎さんはニッコリと微笑んだ。


「私の都合に合わせていただく事になってしまって恐縮ですが、それでもよろしければ」


「いや、しかし…本当に大丈夫なのか?」
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