いつか見る青
私の代わりにおじいちゃんが念を押して問い掛ける。


「ええ。もちろん、仕事には支障が出ないようにいたしますので」


「いや。君の事だから仕事に関しての心配はしていないが、ただ、せっかくの休息時間が潰れてしまうんじゃないのか?」


「いえいえ。合間合間にきちんと休めますし、そういうペース配分は心得ておりますので。それに、実はちょうど自分自身が携帯ショップに行きたいと思っていた所だったんです」


そこで神崎さんは照れ笑いを浮かべた。



「今の携帯、もう5年も使ってまして…。そろそろ機種変更をしたいと思っていたんですが、ああいう販売店というのは受け付けの方が若い女性ばかりで、一人では敷居が高くて…」


神崎さんの言葉を聞きながら、私は思わず『へえ~、そうなんだ』と心の中で呟いた。


何でだろ?

別に、中年の男性が受け付けしてくれたって良いのにね。


「だからちょうど良い機会なんですよ。これを逃したら、また当分先送りにしてしまいそうな気がするし」


「そうか。そういう事なら、遠慮せずに神崎君にお願いするか」
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