いつか見る青
「仕事の合間に、お一人で動いておられたんですから仕方ありませんよ」


神崎さんが控えめに口を挟む。


「うむ……。素人がやれる事には限度があるしな」


ふっ、と息を漏らしたあと、さらにおじいちゃんは続けた。


「そうこうするうちに、家内に再び癌が見つかった」


一人で長いこと言葉を紡いでいるせいなのか、はたまたその内容がヘビーであるからなのか、おじいちゃんの口調は心なしか苦しそうだった。


「どんな病気でも、それが再発するというのは、とてもやっかいな事なんだ。そういう体質が出来上がってしまっている、そしてそれまでの治療が効果的に働いていなかった、という事を証明する事に他ならないからな」


私はどう言葉を返して良いのか分からなかった。


「その後、様々な治療法を試みたが結果は芳しくなく、とうとう担当医からは、余命数ヶ月であるという宣告を受けた」


「え……」


「そんな状況だったので、お前達の捜索はしばらく中断していたんだが、しかし、ハタと気がついたんだ。こういう時だからこそ、急がなければならないと」
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