いつか見る青
おじいちゃんは、一言一言噛み締めるように言葉を紡ぐ。


「家内があの世に旅立つ前に瑠璃さんと和解させ、さらに碧の忘れ形見、つまり、孫のお前の姿を一目見せてやりたいと思った。本当に今さらながらの身勝手な願いだが」


「そこで、社長は初めて私に相談して下さったんです」


少し話し疲れた様子のおじいちゃんを案じたのか、さりげなく神崎さんが後を引き継いだ。


「私は、プロの調査会社に依頼する事を提案しました。そしてその手配を私に任せて下さいと」


「え?神崎さんがですか?」


「ええ。仕事柄、そういった職種の方には色々とコネクションがありますからね。顧問弁護士の立場で僭越かとも思ったのですが、しかし、孫の葵さんの存在は今後の会社の存続にも無関係ではありませんから。ぜひともきちんとしておきたいと思いました」


「最初から専門家に任せておけば良かったよ」


おじいちゃんは深くため息をついた。


「私のあの迷走の日々は何だったのかというくらい、迅速に的確に調査を進め、見事、二人の居場所を突き止めてくれた」
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