××倶楽部

────「かんぱーい!!」



 ビールジョッキのカチンと水分を含んだぶつかり合った音で、はっ、と我に返った。

 
「あれ、私、どうやってここに?」


 隣に座る奈美が次々に同級生とグラスをぶつけてからビールを一口豪快に飲んで私の頭を叩いた。


「やだ、大丈夫? 芽依。さっきから夢遊病みたいになってたけど、目覚めた?」


「ごめん奈美……」


 自分が掴んでいたジョッキから白い泡がこぼれていて、慌てて一口ビールを飲むとお絞りで手とテーブルをさっと拭く。


 私、社長とキスしちゃったんだ…………


 アルコールが体内を巡ったのか、急に顔がカーッと熱くなった。


 キスしちゃったんだ、どうしよう、明日どんな顔してマーベラスに出勤したらいいんだろう。

 そうだ、こんな時こその友達。久々に皆で集合したんだし、酔った勢いで皆から意見を聞けば……


 よし、と意気込んで顔をあげると目の前に座る典とバチと目が合った。


「げっ……典。なんでいるの?」


 そこではじめて今日のメンバーを見渡すと、中学の時の女子メンバーに加えてサッカー部の典成、智、淳一と男子メンバーもいた。


「なんでじゃねーよ、奈美に誘われたんだよ。ボケ!」


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