××倶楽部
典がいるなんて……これじゃ相談できないじゃん!
典の隣では、相変わらず美人なユメちゃんが典の大好物の鳥の唐揚げを山盛りにしたお皿を差し出して、はーい典くん、と語尾にハートマークをつけていた。
「典くん、今彼女いないの?」
その隣では銀行に就職した眞子が典の腕にからまっていた。
「うぜーべたべたすんなよ! 離れろ!」
暴れだした典に、キャーとかヤメテーと笑い声をあげてる両サイドは楽しそうだ。
「奈美、席チェンジして。典の目の前やだ私」
「うん、いーよ。芽依お腹すいてない? 何か注文していいよ」
「ありがとう」
奈美と席を入れ替わっても典の睨みは続く。仕方ないから典に背中を向けて、反対側にいた淳一に話かけることにした。
「芽依、久しぶりだな。典の奴めっちゃ睨んでるけど、お前らなんかあったの?」
「別に! ねえ、淳一さ李花と結婚したんでしょ?」
淳一が、じゃーん、と左手を出すと皆は、うぉーっと拍手と歓声をあげた。
「結婚式とかしないの? お祝いさせてよー、李花は私と同じテニス部だったし」
「ああ、それがさぁ」と淳一は気まずそうな顔をした。
「李花ちゃん、今妊婦なんだよ」
智がニッと笑うと、淳一も恥ずかしそうな顔をした。
まさかの、できちゃった結婚てやつ?
同級生でそんな人がいるなんて…………私、キスしたくらいで自分が自分じゃなくなったみたいな感じがするのに。