××倶楽部
「ねーよ、相談なんて…………別に。社会人なって忙しくて苛々してたのかもな」
典が、はぁ、と短いため息を吐き出した。
「典でもそんなナーバスになることあるんだね? でも、すごいよくわかるよ。私も色々あったから疲れちゃった。
明日でマーベラス七日目だから、やっと本採用になるんだ! 社長がね、本採用になったら週二日のお休み決めていいって。ねえ、典の休みいつなの? たまには二人で映画でも観に行こうよ」
珍しく弱気な典の横顔は、ほんとにちょっと疲れて見える。頼りない外灯のせいかなぁ?
「何それ、芽依のくせに俺のこと元気づけようとしてんの?」
白い歯がふわっと浮き上がると典がいつもの性格悪そうな意地悪な笑顔になった。
「芽依のくせに、って余計だよ。バカ典、何かあったかと思って心配しちゃったじゃん」
「心配なのは、そっちだろ。さっきなんであんなにポーッとしてたんだよ? 熱病患者みたいだったぞ」
「ああ……それは……」