××倶楽部
ハヅキ様と言えば、先日ホストの彼氏に騙されて傷心中の女王様…………
「まさか……!」
傷心じ、じ、じ、自殺とかじゃ……?
「町田さん! 変な声あげないでくださいよ! 僕今からハヅキさんのマンション行ってきます」
社長も同じことを考えたのか、椅子にかけてあったジャケットを羽織る。顔色が真っ青だ。
「社長、ひとりで大丈夫ですか……?」
携帯と財布、車の鍵らしきものを次々とポケットに突っ込んだ社長が顔をあげた。
メガネはズレたままだけど、それをなおすことすら思いつかないらしい。切迫感ある顔をしている。
「町田さん……一緒に来てくれますか?」
捨て犬みたいな弱々しくてまん丸の瞳が、私に何かを求めてる。
「事務所はリオさん任せます。風邪もよくなっているし、ここで留守番くらいなら任せられると思うんです」
「わ、私でいいんですか?」
社長は黙って頷いた。