××倶楽部
「はあ、安心ですね……あのホストの彼、ちゃんとハヅキ様に会いに来たんですね。社長」
「はい、でもそれならそうと僕には連絡をくれてもいいのに……」
社長は安心したような、でも納得のいかない顔でロールス・ロイスのアクセルを踏み込んだ。
「でも、待てよ…………。町田さん、そのホストの店、実は僕知ってるんですよ。前にハヅキさんから聞いていたので……今からちょっとその店に寄ってもいいですか?」
「はい……そうですね。何か事情が聞けるかもしれませんし」
────「いらっしゃいませー」と高らかな声があがり、後を追うように次々に、いらっしゃいませー、と声をかけられる。
うわぁん、人生初のホストクラブ!
私は社長の背中に隠れるようにして薄暗くて、でもやたらとキラキラした店内を歩く。
「社長、昼間からホストクラブって営業してるんですね?」
「はい、この時間帯は主婦向けの営業時間なんですよ。ホストクラブも景気が悪くてどこも必死です。うちも昔は会員規制が厳しかったんですよ。年収一千万以上とか、でも今は七百万まで下げましたし、風俗も景気の流れには逆らえませんからね」
へー、ってこんな場所で景気について淡々と語る社長はある意味大物なのかもしれない。
勝手にズカズカと店の真ん中までやってきた。