××倶楽部

「今、手錠外しますね。お風呂先に使ってください。僕はテレビでも見ながら待ってますよ」


 嫌だ…………


 もっと触れて欲しい。


 耳だけじゃなくて…………




「社長」


 もう一度、キスして欲しい。この冷えた体を温めて欲しい。

 もっと私だけのものになって欲しい。その優しい笑顔で微笑んでまま…………好き、って言ってもらいたい。

 貪欲に駆られて、もっともっと知りたい。私だけに見せる社長の顔を教えて欲しい。


 好奇心に負けちゃいそうになる。

 鏡の中の意地悪な社長と目が合った。



「僕も辛いんですよ。男の事情で、これ以上先に進むと、芽依が泣こうが喚こうが後戻りできなくなりますから」


 小さく首を振る。困ったな……とため息を吐かれた。


「社長は嫌なんですか? 私とそういう関係になることが……」


「いえ、むしろ望んでますよ」


「それなら…………」
 

 怖くないって言ったら嘘になる。痛いのも大嫌いだ。

 だけど、社長とこうなることを望んでいるのは私のほうなの?

 どうしてだろう。誰かに教わったわけじゃないのに、体がなんとなく理解している。

 それが気持ちいいってことを……


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