××倶楽部
繁華街の真ん中に大々的に店をかまえるマーベラスに、私、典、わき腹をおさえながら変な走り方をするマサキさんの順で入る。
スタッフルームには、リオ様、ミーナ様、それに騒ぎを聞きつけ駆けつけたハヅキ様が揃っていた。社長の机の周りで女王様たちはいつになく殺気立った表情をみせている。
「芽依! 詳しく状況を教えてください」
「はい……スミレ様は黒いスーツの男の人たちにあっという間に連れて行かれて……すみません。車種とナンバーは私の幼なじみが暗記したようでして……」
社長と女王様たちの視線が一気に典に突き刺さる。
うわ、これマゾじゃない一般人なら卒倒しそうなくらいのど迫力。リオ様とミーナ様に睨まれただけで生きた心地しないよ……典大丈夫かな?
だけど、典は卒倒するどころか一歩前に出て女王様たちを睨み返した。それから、社長を一睨みする。
「おまえが草原聖夜か?」
典ってば、社長の名前ちゃんと覚えてたんだ…………
社長が小さく頷いた。女王様たちに囲まれていながらも、人の良さそうな雰囲気はそのままだ。