××倶楽部
マサキさんが、ごめんトイレっ、と言いながら部屋を出て行く。ハヅキ様は、役立たず! と転がっていたゴミを投げつけた。
リオ様がゴォーっと地鳴りがするような勢いで眉をハの字にして典を睨みつける。
「あなた、本当にその車のナンバー覚えてるの?」
背中に嫌な汗が浮かびそうなくらい、リオ様の睨みは凄まじい破壊力だ。
「覚えてるよ。それがわかれば警察呼べんだろ? あとはプロに任せればいーじゃねーか。目撃者だって、いっぱいいるだろーし」
の、典ぃぃいい!!
リオ様に負けないなんて……
「はやく決めろよ、草原聖夜」
社長は、人差し指でメガネをくいっとあげると、にっこりと微笑んだ。
「わかりました。別れます。だから、スミレさんを浚った車の手がかりをください」
あっ、……あっさり決めちゃった……?
典は社長をうんと睨みつけたまま、机にあるメモ帳を一枚ビリッと乱暴に破く。そして、そこに車種とナンバーを書いた。