××倶楽部
芽依が肩からおぶさってきたから、ふざけてベッドに投げ飛ばす。バウンドした芽依が、典のばかぁ、と言うから調子のってわき腹を擽ると声をあげて笑いだす。
無邪気で子供の頃から何もかわらなくて、飾り気も色気もないけど、どんな着飾った女より芽依は可愛い生き物だ。
「アハハハ! 典、やめて! 待って、くすぐったいよ」
「大人しく着替えろ、せっかくのクリスマスなんだから」
「わかった、わかったからー!」
芽依は、多分何も気がついてない。
今日はこいつにとっていつも通り家族と過ごす普通のクリスマスで、俺にとってのそれは全然違うってことを……
本当は、ただ一言、好きだ、って伝えてしまえばいいのに、もし万が一拒否されたら? ありえない、と言われて芽依が今までのような関係を続けてくれなくなったら?
それを考えると、今はまだこのままでいいのかと思う。
結局、なにを隠そう俺のハートがかなりのチキン野郎だってわけだ。