××倶楽部

────初デート記念ワンピースを着た芽依がカチャカチャと音をならしながらグラスを四つ用意した。

 アキ兄も大学から帰ってきて、家族パーティーが始まる。
 
 俺たちのグラスには芽依の母親がスーパーで買ってきたシャンパンに見たてた葡萄ジュース。


「メリークリスマス!」


 乾杯とグラスをぶつけると、取り分けられた骨付きチキンにかぶりつく。


「美味い!」

「ちょっと、典手掴みやめなよ、フォークあるよ」

「こういうのは手で食べた方がうまいんだよ! そうだ、今日俺、アキ兄の部屋泊まっていい?」


 小さい頃から実の兄貴みたいに慕ってきた芽依の兄貴。アキ兄が中学生になってから、アキ兄の部屋と芽依の部屋が別々になった。

 それ以降、この家に俺が泊まる時はアキ兄の部屋、って決まっていた。


「駄目だ。今日は大事な予定がある」


「えー、なんでだよ、俺家に帰れないんだよね……大事な予定ってなに?」


 あいつら、まさか解散してないってことはないと思うけど……とにかく家は危険だ。


「今日は雅ちゃんのぷるぷるクリスマススペシャル大作戦! 美少女戦士は聖なる夜も地球を守る特別版の動画配信される神聖な日なんだ。典ごときに邪魔されるわけにはいかない」

「なんだよ、それ!」


「いいじゃない、芽依の部屋で寝れば。今度一階の和室にも典くん用のお布団買っておいてあげるから、でも今日はないし一階は寒いから芽依の部屋で我慢して」


「え? 芽依の?」




 
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