××倶楽部

「典は、ほんとは誰が好きなのぉ?」


「だ、誰って…………」 


 芽依だ、って言え俺!

 もうずっと前からお前だけが好きなんだ、って言えよ俺!


「女の子は皆すぐに典を好きになっちゃう……典選びだい放題じゃん…………」

「そんなことないけど……」


 選ぶのは芽依だけだ、って言えない。やだ、とか言われたら再起不能だ。


「典が……どんどん遠くなる」

「遠くないだろ、今はこうして芽依の隣にいるし、これからもずっと俺はお前といるよ」


 よ、よし……まあまあ、頑張った。無難な言葉だな。


 芽依が、そっかぁ……と消えそうなくらい小さな声をだす。

 その声も、全部が全部可愛いすぎて、胸のうちだけで悶え転がる。


 そして、芽依が長い睫毛をゆっくりと伏せる……

 手は俺の胸に置かれたままだ。


 え、これって…………?


 そうだよな、そういうことだよな?



「芽依、いいのか?」

「ん……」

 こくんと小さく頷いた。


 チキンハートが割れるくらいに脈をうつ。



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