××倶楽部

 だけど、私は困惑を隠せなかった。


 だって……この前きた時よりも、聖良さんが痩せていたから。

 入院した時は、髪も長くて薄く化粧までしていた聖良さんが、今は適当に後ろでまとめた髪で頬もこけて青白い顔をしている。


「聖夜、また背が伸びたんじゃない?」

「そうかな? わからないけど」

「俺を抜かすなよー」


 三人は三人のペースで会話を続けて、聖夜の特別になれたはずの私は疎外感をかんじた。


 普通の大部屋と違って、聖良さんの部屋は個室。他の人の目を気にすることなく、一家団欒と楽しい時間を過ごす。

 手をつけない夕食に戸惑いながら、私は泣き出したい気持ちを我慢して終始笑顔で相づちをうった。



「じゃあ、また明日ね。母さん。リオさんを送るから先に帰るよ」 

「気を付けなさい。二人とも可愛いんだから、誘拐されないでね!」


 部屋を出た時、冷たくなった夕食は手付かずに下げられていった。




 
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