××倶楽部
「父さんと、母さん。年甲斐もなく病室でいちゃついてる時があるから、たまに気を使って早く帰ることにしてるんだ」
聖夜が思いっきり明るい声を出した。
「そうね…………それはいいかも」
会話は、続かない。
タクシー乗り場を通り過ぎて、聖夜は歩き出す。
私たちは、無言で歩いた。
「母さん……来週退院するんだ」
「え? そうなの? よかったじゃない!」
聖夜は立ち止まって、夜空を見上げる。星もない暗い空。
「うん、よかったよ。やっぱりタクシーを捕まえよう。待っててね、リオさん」