××倶楽部

 社長は、スミレ様を縛り付けていた手錠と足枷を外すと満面の笑みで彼女の頭を撫でた。


「ほっといてくれてよかったのに……」 
  
「そんなわけにはいきません。あ、町田さん、大事件解決してくれてありがとうございます。僕はスミレさんを送ってきますから、事務室に戻っていてください」


 社長は救急箱を私に預けると、ついでに私の頭も撫でる。

「はいっ! …………私、戻ってますっ。スミレ様お大事にっ!」


 び、びっくりした!

 男の人に頭を撫でられたのなんて、典以外ではじめてっ!


 社長はスキンシップが上手なんだ……そりゃそうだよね、スキンシップだけでキスさせちゃうんだから……


 でも……あの嬉しそうな顔……


 たかがピアスの穴が膿んだくらいで、あんなに必死になって、あんなに嬉しそうな顔しちゃうんだもん。そういうの、なんかいいなぁ。



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