××倶楽部

「あたしはさ、このSM倶楽部で五店目なんだよねー。女王様歴二年」


「は、はい」


 レイラ様の意図がわからず、ただ頷いた。怖いよ、何言われるんだろう?


「だから、ベテランなわけ。あの男はさ、うちでは新人なんだから今月はリオとかいう女の補佐について勉強しろって言うわけよ。わかる? 昨日一時間も拳握りしめてマーベラスの素晴らしさを演説されたのよ。このあたしが!」


「一時間? あ、練習してたわけじゃないんだ……」


「練習なんていらないの!」   

 デスクに座ったレイラ様が踵で引き出しをガツンと蹴った。


「ひゃっ! スミマセンスミマセン」


 なんかこの人、怖い!

 ミーナ様みたいな露骨な怖さや、リオ様みたいな裏を持つ怖さとは一味違う!


「研修なんかしたくないんだよね。客まわしてくれたらわかるからさ。

 さっき隣から聞こえたんだけど、スミレって奴、帰ったんだろ? その客をあたしにまわしてくれない?」


「えっ……私、そんな決定権ないんです……レイラ様と同じ新人ですし……」


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