××倶楽部
ハヅキ様は、インスタントコーヒーのカップに息を吹きかけながらそれを飲む。
社長は、目を細めてハヅキ様を見つめる。
「ハヅキさん、今日は休みますか? お客様には僕から連絡しますよ」
ハヅキ様は金髪の短い髪を揺らして首を左右に振った。
「ううん、貯金なくなっちゃったし働かなきゃ……」
「そうですか、顔を少し冷やしましょうか? 泣き顔のハヅキさんはとても可愛らしいのですが、泣き顔の女王様は迫力にかけますからね」
「うん……」
すごい……もう問題解決させたかも……
社長に言われて、冷凍庫から氷を出すとそれをタオルでくるんでハヅキ様にわたす。また、ありがと、と言って彼女はおぼつかない足取りで部屋を出て行く。
「だ、大丈夫ですか? ハヅキ様」
「大丈夫ですよ。人に言われなくても、自分の失敗を理解してます。ただ、泣きたかっただけですよ」
キラキラキラリン、と脳内効果音が聞こえてきて、私もなんとなく理解しなきゃいけないような気がした。
「僕と町田さんって、けっこうナイスコンビネーションですね! スミレさんの時も思ってたんですけど、これからもよろしくお願いします」
って、嬉しそうに言われると、私も嬉しくなってしまうことを……
「さあ、仕事しましょう」
「はい」
私、社長が好きだ────