~ Sweet Chocolate ~
雑誌コーナーは、女の子で溢れている。
ファッション誌を読む子や、ネイル誌を読む子の中でもダントツでアイドル誌を読む子が多い。
「やっぱ、人気なんやな。ラブセ?やっけ」
「うん。関西No.1やからなー。全員、男前やし」
アイドル誌を手に取り、パラパラと眺め、ラブセの部分で手を止める。
ラブセは6人グループで、デビューはしてないけど物凄い人気を手にしてる。
デビューも間近なんて噂も流れてるけど、本間の事は事務所しか知らんのやろな。
事務所も、ラブセを推してる事は解るけど。
パタンと雑誌を畳み、支払いを済ませた。
「今年も、松竹座行かへんの?公演あるんやろ?」
「あるよー。関西のアイドル集めてやってる。次元が違うから見に行かん。雑誌だけでも突き放されとんのに。」
「けどさ、普通は逢いたいー!とか思うんちゃうん?」
「普通の子なら、な。僕、普通ちゃうやん?」
確かに、なんて納得し頷く。
普通なんて、自分自身の物差しで測られてるだけ。
型に嵌まるのは性に合わんし、堅っ苦しい事は苦手や。
奇抜と言われようが、理解されまいが、個性が目立ち過ぎてる位の方が楽しい。
皆と同じなんて、何も楽しい事あらへん。
ショッピングモールを背にし、雅と別れ、自転車を走らせる。
川沿いに自転車を止め、近くのベンチに座る。
夏の夕日を川の水が写し出す。
眩しくもキラキラ輝く様子は、僕の好きなラブセの姿に似てる。
夕日に手を翳し、自分の儚さを消し去る。
僕が、こんな事をしてる間も彼等は舞台上で輝いてるんやろう。
沢山の女の子に笑顔を見せ、応援の声に応え、勇気や元気を与える。
そう誰もが出来る仕事なんかじゃない。
ツラい時も苦しい時も涙を笑顔に変え、更に勇気付けるなんて、どんだけの強さを持ってるんやろか。
そんな彼等を尊敬し、憧れてもいる。
けど、逢いたくはない。
これ以上、未熟さ、虚しさを感じたくない。
逃げてるだけ。
ファッション誌を読む子や、ネイル誌を読む子の中でもダントツでアイドル誌を読む子が多い。
「やっぱ、人気なんやな。ラブセ?やっけ」
「うん。関西No.1やからなー。全員、男前やし」
アイドル誌を手に取り、パラパラと眺め、ラブセの部分で手を止める。
ラブセは6人グループで、デビューはしてないけど物凄い人気を手にしてる。
デビューも間近なんて噂も流れてるけど、本間の事は事務所しか知らんのやろな。
事務所も、ラブセを推してる事は解るけど。
パタンと雑誌を畳み、支払いを済ませた。
「今年も、松竹座行かへんの?公演あるんやろ?」
「あるよー。関西のアイドル集めてやってる。次元が違うから見に行かん。雑誌だけでも突き放されとんのに。」
「けどさ、普通は逢いたいー!とか思うんちゃうん?」
「普通の子なら、な。僕、普通ちゃうやん?」
確かに、なんて納得し頷く。
普通なんて、自分自身の物差しで測られてるだけ。
型に嵌まるのは性に合わんし、堅っ苦しい事は苦手や。
奇抜と言われようが、理解されまいが、個性が目立ち過ぎてる位の方が楽しい。
皆と同じなんて、何も楽しい事あらへん。
ショッピングモールを背にし、雅と別れ、自転車を走らせる。
川沿いに自転車を止め、近くのベンチに座る。
夏の夕日を川の水が写し出す。
眩しくもキラキラ輝く様子は、僕の好きなラブセの姿に似てる。
夕日に手を翳し、自分の儚さを消し去る。
僕が、こんな事をしてる間も彼等は舞台上で輝いてるんやろう。
沢山の女の子に笑顔を見せ、応援の声に応え、勇気や元気を与える。
そう誰もが出来る仕事なんかじゃない。
ツラい時も苦しい時も涙を笑顔に変え、更に勇気付けるなんて、どんだけの強さを持ってるんやろか。
そんな彼等を尊敬し、憧れてもいる。
けど、逢いたくはない。
これ以上、未熟さ、虚しさを感じたくない。
逃げてるだけ。