甘い唐辛子
少ししてから、舞台の上に藤成の組長…霞澄の親父が立ち、マイクを握った。
短い挨拶をした後、俺達を舞台上に呼ぶ藤成の組長の言葉を合図に、霞澄と俺は腕を組み、俺がエスコートするかたちで舞台に上がった。
スポットライトは眩しいと言うより、熱く感じ、会場が真っ暗に見えた。
藤成の親父の紹介が終わると、会場がざわめきだす。
当然だろう。
東日本一の姉御が、弱い組に嫁ぐんだから…
こういう時、改めて思う。
……本当に、俺が霞澄の婚約者でいいのだろうか?
もっとふさわしい奴がいるはず。
俺なんかでいいのだろうか?
霞澄といると、疑問と不安が尽きない…
ついでに嫉妬と情けなさも…